Ver. 3.0

空飛びラボ日記 辺境編

マイルドな排斥行動にうんざり

こういう話題はあまり書かないブログにしようと思ったのですが(色々考えるので結局書いてますが)、ただの愚痴ではなく書き用によっては誰かの思考を助ける手立てになるかもしれないので書いてみます。

いわゆる他所から移住してきた人々に対する排斥行動は、単純に郷土愛が強い人が行うのではなく、生まれ育った場所から出た事がほとんど無い上に自分のアイデンティティを構成するものが郷土との結びつきしかないような人が行うものだと思っているのですが、これを断続的に仕掛けてくる人が今、近くにいてたまに嫌な気分になっています。こういったことをやられたことがない人にはピンとこない話かもしれませんが、一見そうとは分からないけどよくよく考えると「もしかして出ていけって言われてる?」という経験をしている人は意外と多いのではないでしょうか。

まず最初に言いたいのが「あなた、この土地の代表ですか?」ということですよ。私有地に入り込んでいるのを出て行ってくれと言われているなら分かります。またはこちらが具体的に何か問題を起こした上で、自治体の長から勧告を受けるというなら(憲法の条項はとりあえず傍に置く)それも分かります。でもそういうのではなくて、ただの感情的なもの。なぜこういう言動が出てくるのかなぁ?と考えてみると、結局その人にとってのプライドが「ある土地で生まれ育った=その土地をお前よりよく知っている」ということしか無いからでは無いか?と思いました。

例えばその土地の良さだけでなくリスクを伝えてくれるのは全く問題がないですし、それはむしろ親切です。北海道なら雪や寒さのこと、南方地域なら台風のこと、島嶼なら物流のことなど、地域独自のデメリットは当然ありますから、それらを教えてくれる存在はありがいです。

マイルド排斥者(と私は呼んでいる)は、一見デメリットについて教えてくれているのかな?という体で話を向けてくるのですが、同じように純粋に情報をくれる人と比べると話している内容が全然違います。1番の特徴は具体性がなくて「大変だよ」を強調すること。むしろそれしか言わない 笑。よほどノーテンキで人生経験の浅い人でない限り、移住先のデメリットについて知識レベルではある程度把握して来ているから、そりゃ予想外の大変さはあるでしょうね、ということなんかみんな分かっていますよ。だから知りたいのは具体的な情報と対策方法なわけです。しかし、心配してくれているのかなと思って真剣に耳を傾けてみても「大変」「大丈夫かなぁ?(無理じゃない?」しか言ってない 笑。

個人的な話になりますが、まず私の場合は最初に仕事ありきで動いているので、自分がやりたい研究ができる場所が砂漠だろうが氷河の中だろうが採用されれば行きます。今回はたまたまずっと住みたかった北海道だったというだけ、私にとってはダブルでラッキーだったというだけで、「北海道!梅雨が無い!爽やかー♪海鮮♪チーズ♪野生動物可愛い♪♪住んでみたーい」で来ているわけではありません。むしろそんなことはオマケです。仕事状況によっては観光なんかほとんどしないかも知れません。「北海道にある研究所で」仕事に集中して結果を出すために生活を安定させる必要があり、デメリットやリスクは山ほどあるでしょうが、それらから逃げる(=北海道に住まない)選択肢は最初から無い。ゼロ。そういう状況の人間に対して「(内地の人には)大変」「大丈夫?」しか言わないってのは、もしかして私が北海道に適応するのが嫌なのかな?

件の人は私が本州暮らしの時は全然意地悪い感じではなかったんです。でも思い返してみれば「北海道はいい季節に観光に来るのはいいけど、本格的に暮らすのは勧めない。自分はここで生まれ育ったから大丈夫だけど」的なことはよく言っていました。当時は居住者の冷静な意見と受け止めていましたが、私が実際に住み始めてからも出ていくことを勧めるような言動を繰り返すのは、これなんか思っていたのとは違う意図があるようだぞ?と感じるようになりました。

極め付けは私が「これからの仕事で経験を積んで結果を出せば」次の「新興国での若手指導」という目標にトライできるかもしれない、という話をした時に、「え!いいじゃんいいじゃん!応援する!!」(ここまではいい)「でも海外に行くなら体力的なこともあるし早い方がいいんじゃない?北海道に定年までなんて言ってないでもうすぐ行った方がいいよ!」(は?)と言われたことです。次の目標に行くためにこれから定年までの仕事があるんだよっていうね。話聞いてんのか?っていう 笑 これを言われた時にモヤモヤとしていたことがクリアになり「あ、そうか。この人私が北海道で生活するのが嫌なんだ」と思っちゃったんですねー。

もしかしたらその人がただの理解力不足で、早とちりの上の発言じゃ無いの?というご意見もあるでしょう。でも多分違います。なぜなら私がスケート教室を通じて新たな人脈を作り、主に移住者同士で情報交換をしていることや、ブログで北海道居住の方から有益な情報を教えてもらっていることなどを話すとゴニョゴニョと否定しかかってくるから。って言っても、その人も道内をくまなく知っているわけでは無いんですよ。むしろ来年から私が住むであろう場所には住んだことがないわけで、だからこそ、他所から来た私が北海道なのにその人にとっては未踏な地域で様々なことを引き受けて生活していくのが非常に面白くないのだと思います。

はーーーーー 男女で分けたく無いけど、こういうのって男性でもあるんですか?私は女性特有のような気がします。ここまででは無いにしても、「私は地元の代表。なんでも知っているんだから」的な言動をする人はどこにでもいて、でも結局知っているのは「一部」ですよね。一箇所(同じ県など)に住み続けている人は、積極的に選んでいる場合も多少あるでしょうが、結果的にそうだったという場合も少なくない。むしろ知らない場所に出て行くことが億劫だったり怖かったりの結果だという人も多いのに、そんなに代表者ヅラするなら知事選にでも出ろ!って思ってます。