Ver. 3.0

空飛びラボ日記 辺境編

年末恒例SF映画祭り:アド・アストラ

2019年公開。未視聴で今回初です。

ja.wikipedia.org

ブラピ演じる主人公が抱える孤独と宇宙空間の広さ、暗さ、冷たさが相乗効果を発揮して面白い。途中に挟まれるエピソードの中には「これ必要?」というものもありましたが、概ね満足です。

幼少期の主人公を残して深宇宙に旅立ち消息を絶ったお父さんですが、実は海王星付近に止まった探査船で生きていて独りで調査を続けています。一人で探しに来た息子に説得されて一度は帰還を了承したものの、やっぱり帰りたくないと頑なに地球に戻ることを拒否して、息子と結んだ命綱を外して丸腰のまま宇宙空間に消えていってしまう。どうしてそんなに地球に帰りたくないの?!唖然。

人付き合いが苦手、でも心の底では他者との関わりを望んでいる主人公とは比べ物にならないくらいド変人でサイコパス。小さく消えていく父親を絶望の眼差しで見送るしかない主人公。そりゃ絶望しますよね。。。でも、これは私の想像ですが、父の心があまりにも理解の範疇を超えていたので、思い出に見切りをつけて見ないふりをしてきた心の傷や他者との関わりを望む気持ちを肯定的に受け止める精神状態になったのではないでしょうか。

主人公の心の再生がテーマなので、果たしてSFなのだろうか?という気持ちもしますが、近未来感もよく出ていて、宇宙空間の映像も美しく、大画面で観たいと思いました。